日常でよくあるやり取りの中からひとつ。
「この日付と時間、特に目立たせたいので大きく目立つようにお願いします。」
「このタイトルですが、パッと目に入るように目立たせたいので大きくお願いします。」
といった紙面内の指示をいただくことがあります。
お気づきの方は多いと思いますが
どれも大きくなってしまいます・・・笑
発注側としては盛り込みたいことは全て大事な事。
が故に、目立たせたい。
読む側との情報格差がそうさせてしまいます。
作り手は全てを知っているが故に、読み手にもある程度の共通認識があると錯覚してしまいます。
ところが読み手にとっては当然初見なのでゼロスタートで見る事となります。
そういった情報格差を認識した上で、読み手に伝えたいことが伝わるようにするのが我々役目といってもいいでしょう。
こんな逸話があります。
スティーブ・ジョブズが親友のアートディレクターであるリー・クロウに、1つのCMに5つのメッセージをいれたい。と伝えたところ、リー・クロウは1つの紙屑をジョブズに投げました。ジョブズは難なくキャッチ。
続いて、クロウは5つの紙屑を同時にジョブズへ投げました。ひとつもキャッチできずに5つの紙屑は床に落ちました。
そしてこう言いました。
「これが悪い広告だよ」
これは多くのメッセージを同時にお客さんは受け取れないということです。
しかし、ジョブズの気持ちもよくわかります。
パッションがあるが故の要望なのですから。
そんな時に、絶妙なアドバイスができるよう日々努めたいと思います。